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従業員に周知せずに年次有給休暇を消化した場合の会社のペナルティ

企業が従業員に適切に周知せずに、年次有給休暇(年休)を一方的に消化させた場合、以下の法的リスクやペナルティが発生する可能性があります。


1. 年次有給休暇の一方的な消化は違法

労働基準法第39条により、年休は「労働者の請求する時季に与えなければならない」とされています。
そのため、会社が労働者に「年次有給休暇の計画的付与」の協定の存在を周知せず、本人の意思を確認せずに勝手に消化させることは違法です。

会社が違法な年休消化を行った場合の影響

  1. 労働基準法違反による罰則(第120条)

    • 30万円以下の罰金を科される可能性あり
    • 労働基準監督署が調査し、是正勧告を受ける
  2. 年休の無効と未消化分の請求リスク

    • 会社が勝手に消化した年休は「取得したとは認められない」と判断される可能性が高い
    • 労働者が「年休が適切に取得できなかった」と主張し、未取得分の年休を請求することができる
    • 労働者が退職時に「未消化分の有給休暇の買い取り」を請求する可能性がある
  3. 不当な年休消化を理由に労働トラブルが発生

    • 労働者が労働基準監督署に相談し、会社への指導・是正勧告につながる
    • 証拠を持って労働審判や裁判に訴えられる可能性

2. 例外的に会社が年休を指定できるケース

以下のケースでは、会社が労働者の同意なしに年休を指定することが可能ですが、それでも適切な周知が必要です。

(1) 年5日の有給休暇取得義務(労働基準法第39条7項)

  • 年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、会社が最低5日を取得させる義務があります。
  • ただし、事前に労働者に通知し、周知しておく必要がある
  • 勝手に年休を消化するのは違法

(2) 計画的付与制度(労働基準法第39条6項)

  • 労使協定を締結すれば、年5日を超える年休については、計画的に取得させることが可能
  • 労使協定の締結と従業員への周知が必須

3. 適切な対応策

会社が法的リスクを回避するためには、以下の対応が必要です。

年休の取得ルールを就業規則に明記する
年5日の取得義務について、事前に対象労働者へ通知する
計画的付与を実施する場合は、労使協定を締結し、周知する
取得状況を記録し、適切に管理する


まとめ

会社が従業員に周知せずに勝手に有給休暇を消化した場合、労働基準法違反となり、罰則(30万円以下の罰金)や労働トラブルが発生するリスクがあります。

違法と判断される主なケース

🚫 会社が一方的に年休を消化した
🚫 労働者に通知せずに勝手に有給を減らした
🚫 会社都合で年休を取得させたが、労使協定も締結せず、周知もしていなかった

企業側は、適切な周知を行い、労働者の意思を尊重しながら年次有給休暇の取得を進めることが重要です。

実際に起きたトラブル

7年ほど勤務した従業員が、会社に残りの年次有給休暇の日数を問い合わせたところ、4日との回答があり、一度も有給休暇の取得申請をしていないのにおかしいと理由を尋ねたら「年次有給休暇の計画的付与」の協定をT課長と締結しており、毎週土曜日は有給の消化に当てたと回答があった。

会社は年次有給休暇を年間5日取得させる義務を負うものの、5日を超える部分について従業員に内緒で会社都合で勝手に消化していた。

行き過ぎた有給休暇の消化に加えさらに重大な問題が出てきた。

土曜日も仕事していたにも関わらず有給休暇の消化ができるのか?

なぜ、労使協定の存在を周知しなかったのか?

そもそも課長は労働者の過半数代表にはなれないのでは?

などの質問に社長は答えられなかったため、従業員は退職を決意。過去に退職に際して残りの30日分丸々有給消化をする従業員がいたためこのような愚策を行ったとのことだった。

従業員は労働基準法に守られながら生活の糧を日々の労働によって稼いでいるのであって、会社に対する信頼が裏切られた場合は、信頼できる職場へ移行していくのは当然の流れではないでしょうか。