労働時間管理の基本とポイント
1. 法定労働時間とは?
労働基準法では、労働者の健康を守るために、1日・1週間の労働時間の上限が定められています。
1日あたりの労働時間の上限:8時間
1週間あたりの労働時間の上限:40時間(原則として、月~金で各8時間)
休憩時間:
労働時間が6時間以上 → 45分の休憩が必要
労働時間が8時間以上 → 1時間の休憩が必要
💡 ポイント:「週40時間」の原則は業種・職種によって例外もある(※一部の業種では週44時間まで可)
2. 残業(時間外労働)のルール
法定労働時間を超える労働(=残業)をさせる場合、**36協定(サブロク協定)**の締結が必要です。
🔹 36協定とは?
企業が従業員に法定労働時間を超えて労働させる場合のルールを定める協定
労働基準監督署に届け出が必要
36協定がないと、法定労働時間を超えて働かせることは違法になる
🔹 残業の上限(原則)
1か月 45時間以内
1年間 360時間以内
🔹 特別条項付き36協定(繁忙期対応)
1年のうち6か月までは上限を超える残業が可能
ただし、1か月 100時間未満・2~6か月の平均が80時間以内が必要(過労死防止のため)
3. 残業代の支払いルール
企業は法定労働時間を超えた分に対して、以下の割増賃金を支払う義務があります。
✅ 時間外労働(残業):基本給の 1.25倍(法定労働時間を超えた分)
✅ 休日労働(法定休日に勤務):1.35倍
✅ 深夜労働(22:00~翌5:00):1.25倍(残業+深夜なら 1.5倍)
💡 ポイント:「管理職だから残業代なし」はNG!(管理監督者でない限り支払い義務あり)
4. 労働時間管理の実務での注意点
✅ 勤怠管理を徹底する(タイムカード・ICカード・アプリで正確に記録)
✅ 36協定を締結し、適切な範囲で運用する(違反すると罰則あり)
✅ 残業削減の工夫(ノー残業デーの導入、業務効率化など)
✅ 違法残業に注意(違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
まとめ
労働時間の管理は、従業員の健康を守り、企業の法的リスクを減らすために重要なポイントです。特に、36協定を正しく締結し、違法な長時間労働を防ぐことが、企業の責任として求められます。